物理 / 波動
頻出解法パターン
パターン1: 波の式から基本量(振幅・周期・波長・速さ)を読み取る
こんな問題で使う
$y=A\sin\left(2\pi\left(\dfrac{t}{T}-\dfrac{x}{\lambda}\right)\right)$ の形で波の式が与えられ、振幅・周期・波長・速さや、特定の $x$、$t$ での変位を求めさせる問題。
解法の手順
- 与えられた式を、正弦波の式の標準形 $y=A\sin\left(2\pi\left(\dfrac{t}{T}-\dfrac{x}{\lambda}\right)\right)$ と見比べ、$A$、$T$、$\lambda$ を読み取る。
- 速さが必要なら $v=\dfrac{\lambda}{T}$ で計算する。
- 特定の $x$、$t$ での変位を求める場合は、$\sin$ の中の角度をまず計算してから、最後に $\sin$ を取る。
具体例
$y=0.2\sin\left(2\pi\left(\dfrac{t}{4}-\dfrac{x}{8}\right)\right)$ なら、$A=0.2\ \mathrm{m}$、$T=4\ \mathrm{s}$、$\lambda=8\ \mathrm{m}$、$v=\dfrac{8}{4}=2\ \mathrm{m/s}$。
パターン2: 定常波の腹・節の位置を求める
こんな問題で使う
成分波の振幅・波長が与えられ、定常波の節・腹の位置や、隣り合う節(腹)の間隔を求めさせる問題。
解法の手順
- 節の位置は $x=\dfrac{\lambda}{4}+n\dfrac{\lambda}{2}$、腹の位置は $x=n\dfrac{\lambda}{2}$($n=0,1,2,\ldots$)の式に、与えられた波長を代入する。
- 指定された範囲に収まる $n$ の値をすべて書き出す。
- 間隔を聞かれたら、隣り合う節どうし・腹どうしの間隔は $\dfrac{\lambda}{2}$、節と腹の間隔は $\dfrac{\lambda}{4}$ であることを使う。
具体例
波長 $4\ \mathrm{cm}$ の定常波なら、節は $x=1,3,5,7,\ldots\ \mathrm{cm}$、腹は $x=0,2,4,6,\ldots\ \mathrm{cm}$ にでき、隣り合う節の間隔は $2\ \mathrm{cm}$。
パターン3: 経路差から強め合う・弱め合うを判定する
こんな問題で使う
2つの波源(または2つのスリット)からの距離が与えられ、ある点で強め合うか弱め合うかを判定させる問題。距離が直接与えられていない場合は、三平方の定理で距離を求めてから判定する。
解法の手順
- 2つの波源(スリット)から観測点までの距離 $l_1$、$l_2$ を求める(直角三角形になっている場合は三平方の定理を使う)。
- 経路差 $|l_1-l_2|$ を計算する。
- 経路差を波長 $\lambda$ で割り、その結果が整数なら強め合う、整数$+\dfrac12$なら弱め合うと判定する。
具体例
$l_1=12\ \mathrm{m}$、$l_2=13\ \mathrm{m}$、$\lambda=1\ \mathrm{m}$ なら、経路差 $1\ \mathrm{m}$ を波長で割ると $1$(整数)なので強め合う。
パターン4: スネルの法則で屈折角・屈折率を求める
こんな問題で使う
入射角・屈折角・屈折率のうち、いずれか1つが未知数になっていて、残りが与えられている問題。
解法の手順
- $n_1\sin\theta_1=n_2\sin\theta_2$ に、わかっている値を代入する。
- 求めたい量が角度なら、まず $\sin$ の値を計算してから、最後に $\sin^{-1}$(アークサイン)を取って角度に直す。
- 計算した $\sin$ の値が $1$ を超えていないか確認する(超えていたら代入や式の立て方を見直す)。
具体例
$n_1=1.0$、$\theta_1=30°$、$n_2=1.5$ のとき、$\sin\theta_2=\dfrac{1.0\times0.5}{1.5}=\dfrac13$ より $\theta_2\approx19.5°$。
パターン5: 臨界角を求めて全反射の判定をする
こんな問題で使う
密な媒質($n_1$)から疎な媒質($n_2$)へ光が進む場面で、臨界角を求めたり、与えられた入射角で全反射が起こるかどうかを判定させる問題。
解法の手順
- まず、密な方が $n_1$、疎な方が $n_2$ になっていることを確認する($n_1>n_2$)。
- $\sin\theta_c=\dfrac{n_2}{n_1}$ から臨界角 $\theta_c$ を求める。
- 与えられた入射角 $\theta_1$ と $\theta_c$ を比較し、$\theta_1>\theta_c$ なら全反射が起こる、$\theta_1<\theta_c$ なら屈折光が存在すると判定する。
具体例
$n_1=1.5$、$n_2=1.0$ なら $\sin\theta_c=\dfrac{1.0}{1.5}\approx0.667$、$\theta_c\approx41.8°$。入射角が$41.8°$より大きければ全反射。
パターン6: レンズ・鏡の公式で像の位置・倍率・実像虚像を判定する
こんな問題で使う
物体の位置・焦点距離が与えられ、像の位置・倍率・実像か虚像か・正立か倒立かを求めさせる問題。
解法の手順
- レンズ・鏡の種類に応じて $f$ の符号を決める(凸レンズ・凹面鏡は $f>0$、凹レンズ・凸面鏡は $f<0$)。
- $\dfrac{1}{a}+\dfrac{1}{b}=\dfrac{1}{f}$ を $b$ について解く。
- $b$ の符号から実像($b>0$)・虚像($b<0$)を判定する(レンズなら実像は反対側・虚像は同じ側、鏡なら実像は同じ側・虚像は裏側)。
- 倍率 $m=\left|\dfrac{b}{a}\right|$ を計算する。実像は倒立、虚像は正立になる。
具体例
凸レンズ $f=10\ \mathrm{cm}$、$a=30\ \mathrm{cm}$ なら、$\dfrac1b=\dfrac1{10}-\dfrac1{30}=\dfrac1{15}$、$b=15\ \mathrm{cm}>0$ で実像、$m=\dfrac{15}{30}=0.5$(縮小・倒立)。
パターン7: 干渉縞の間隔や回折格子の明線角度を求める
こんな問題で使う
ヤングの実験の干渉縞の間隔、または回折格子による明線の角度を求めさせる問題。
解法の手順
- ヤングの実験(スリット2本、スクリーンが十分遠い)なら $\Delta x=\dfrac{L\lambda}{d}$ を使う。
- 回折格子(すじが多数、角度が大きくなりうる)なら $d\sin\theta=m\lambda$ を使い、$\sin\theta$ を求めてから $\theta$ に直す。
- どちらの式でも、$d$(間隔)と $\lambda$(波長)を取り違えないよう、単位をそろえてから代入する。
具体例
回折格子 $d=2000\ \mathrm{nm}$、$\lambda=600\ \mathrm{nm}$、$m=1$ なら、$\sin\theta=\dfrac{600}{2000}=0.3$、$\theta\approx17.5°$。