物理 / 電気と磁気

章末問題

章末問題

問題1

真空中に電気量 $Q_1=3.0\times10^{-8}\,\text{C}$ の点電荷がある。この点電荷から $r=0.60\,\text{m}$ 離れた点における(1)電場の強さ $E$、(2)電位 $V$ を求めよ。さらに、その点に電気量 $q=-2.0\times10^{-9}\,\text{C}$ の点電荷を置いたとき、(3)この電荷にはたらく力の大きさと向き、(4)この電荷がもつ電気的な位置エネルギー $U$ を求めよ。

解答・解説を見る

(1) 電場

$E = k\dfrac{Q_1}{r^2} = 9.0\times10^9\times\dfrac{3.0\times10^{-8}}{(0.60)^2} = \dfrac{270}{0.36} = 750 = 7.5\times10^2\,\text{N/C}$

(2) 電位

$V = k\dfrac{Q_1}{r} = 9.0\times10^9\times\dfrac{3.0\times10^{-8}}{0.60} = \dfrac{270}{0.60} = 450 = 4.5\times10^2\,\text{V}$

(3) 力の大きさと向き

力の大きさは $F=|q|E$ で求められます。

$F = 2.0\times10^{-9}\times750 = 1.5\times10^{-6}\,\text{N}$

$Q_1$ は正電荷、$q$ は負電荷なので、両者は引き合います。したがって力の向きは、$q$ から $Q_1$ に向かう向き(引力の向き)です。

(4) 位置エネルギー

$U = qV = (-2.0\times10^{-9})\times450 = -9.0\times10^{-7}\,\text{J}$

$q$ が負の電荷なので、正の電位 $V$ の場所にあっても、位置エネルギー $U$ は負の値になることに注意してください。

答え: (1) $7.5\times10^2\,\text{N/C}$ (2) $4.5\times10^2\,\text{V}$ (3) $1.5\times10^{-6}\,\text{N}$、$Q_1$に向かう向き (4) $-9.0\times10^{-7}\,\text{J}$

問題2

静電容量 $C_1=4.0\,\mu\text{F}$ のコンデンサーを、電圧 $V=50\,\text{V}$ の電池で充電したのち、電池を切り離した。これを、電荷をたくわえていない静電容量 $C_2=6.0\,\mu\text{F}$ のコンデンサーと並列に接続した。接続後の(1)共通の電圧、(2)それぞれのコンデンサーの電荷、(3)接続の前後でのエネルギーの変化を求めよ。

解答・解説を見る

充電直後の電荷を求める

$Q_0 = C_1V = 4.0\times10^{-6}\times50 = 2.0\times10^{-4}\,\text{C} = 200\,\mu\text{C}$

(1) 接続後の共通電圧

2つのコンデンサーを接続しても、全体の電荷は保存されます(電池はもう切り離されているため、外部から電荷が出入りすることはありません)。接続後は $C_1$ と $C_2$ が並列になるので、合成容量は

$C = C_1+C_2 = 4.0+6.0 = 10\,\mu\text{F}$

共通電圧は、保存された電荷 $Q_0$ をこの合成容量で割って求めます。

$V_f = \dfrac{Q_0}{C} = \dfrac{200}{10} = 20\,\text{V}$

(2) それぞれの電荷

$Q_1' = C_1V_f = 4.0\times20 = 80\,\mu\text{C}$

$Q_2' = C_2V_f = 6.0\times20 = 120\,\mu\text{C}$

(検算: $Q_1'+Q_2'=80+120=200\,\mu\text{C}=Q_0$ となり、電荷が保存されていることが確認できます。)

(3) エネルギーの変化

接続前のエネルギーは、

$U_0 = \dfrac{1}{2}C_1V^2 = 0.5\times4.0\times10^{-6}\times(50)^2 = 0.5\times4.0\times10^{-6}\times2500 = 5.0\times10^{-3}\,\text{J}$

接続後のエネルギーは、

$U_f = \dfrac{1}{2}CV_f^2 = 0.5\times10\times10^{-6}\times(20)^2 = 0.5\times10\times10^{-6}\times400 = 2.0\times10^{-3}\,\text{J}$

エネルギーの変化は、

$\Delta U = U_f-U_0 = 2.0\times10^{-3}-5.0\times10^{-3} = -3.0\times10^{-3}\,\text{J}$

つまり、$3.0\,\text{mJ}$ のエネルギーが失われています。これは、接続の瞬間に電荷が移動する際、導線の抵抗などで熱として失われたためです。

答え: (1) $20\,\text{V}$ (2) $Q_1'=80\,\mu\text{C}$, $Q_2'=120\,\mu\text{C}$ (3) $3.0\,\text{mJ}$ のエネルギーが失われる

問題3

図のように、起電力 $E_1=17\,\text{V}$、抵抗 $R_1=4\,\Omega$ の枝、起電力 $E_2=15\,\text{V}$、抵抗 $R_2=6\,\Omega$ の枝、そして抵抗 $R_3=3\,\Omega$ だけの枝が、共通の2点AB間に並列につながれている(電池の内部抵抗は無視できる)。$R_1,R_2$ を流れる電流を $I_1,I_2$(ともに点Aに流れ込む向きを正)、$R_3$ を流れる電流を $I_3$(点Aから流れ出る向きを正)として、それぞれの電流を求めよ。

解答・解説を見る

第一法則(分岐点A)

$I_1+I_2 = I_3 \quad \cdots①$

第二法則(2つの閉回路)

$E_1 = I_1R_1+I_3R_3 \;\Rightarrow\; 17=4I_1+3I_3 \quad \cdots②$

$E_2 = I_2R_2+I_3R_3 \;\Rightarrow\; 15=6I_2+3I_3 \quad \cdots③$

②より $I_1=\dfrac{17-3I_3}{4}$、③より $I_2=\dfrac{15-3I_3}{6}$ です。これらを①に代入します。

$\dfrac{17-3I_3}{4}+\dfrac{15-3I_3}{6} = I_3$

両辺に12をかけて分母を払います。

$3(17-3I_3)+2(15-3I_3) = 12I_3$

$51-9I_3+30-6I_3 = 12I_3$

$81-15I_3 = 12I_3$

$81 = 27I_3$

$I_3 = 3\,\text{A}$

これを②', ③'に代入します。

$I_1 = \dfrac{17-9}{4} = 2\,\text{A}, \qquad I_2 = \dfrac{15-9}{6} = 1\,\text{A}$

答え: $I_1=2\,\text{A}$, $I_2=1\,\text{A}$, $I_3=3\,\text{A}$

問題4

$0.20\,\text{m}$ 離れた2本の十分に長い平行な直線導線に、同じ向きにそれぞれ $I_1=5.0\,\text{A}$、$I_2=3.0\,\text{A}$ の電流を流した。(1) 導線1がつくる磁場のうち、導線2の位置での強さを求めよ。(2) 導線2が磁場から受ける、単位長さあたりの力の大きさと向きを求めよ。

解答・解説を見る

(1) 導線2の位置での磁場

直線電流のつくる磁場の式 $B=\mu_0\dfrac{I}{2\pi r}=2\times10^{-7}\times\dfrac{I}{r}$ に、導線1の電流 $I_1=5.0\,\text{A}$ と距離 $r=0.20\,\text{m}$ を代入します。

$B_1 = 2\times10^{-7}\times\dfrac{5.0}{0.20} = 2\times10^{-7}\times25 = 5.0\times10^{-6}\,\text{T}$

(2) 導線2にはたらく力

導線2は、導線1がつくる磁場 $B_1$ の中に置かれた、電流 $I_2$ の流れる導線とみなせます。導線は磁場に垂直なので、電磁力の式 $F=B_1I_2L\sin90°$ を長さ1mあたりで考えると、

$\dfrac{F}{L} = B_1I_2 = 5.0\times10^{-6}\times3.0 = 1.5\times10^{-5}\,\text{N/m}$

向きについては、同じ向きに流れる2本の平行電流は、たがいに引き合う(引力がはたらく)という性質があります。

答え: (1) $B_1=5.0\times10^{-6}\,\text{T}$ (2) $1.5\times10^{-5}\,\text{N/m}$、導線1に向かって引き合う向き

問題5

一様な磁場(磁束密度 $B=0.25\,\text{T}$)の中で、長さ $L=0.50\,\text{m}$ の導体棒を、磁場にも棒にも垂直な向きに速さ $v=4.0\,\text{m/s}$ で動かした。棒の両端は、抵抗が無視できるレールを通して、抵抗 $R_1=3.0\,\Omega$ と $R_2=6.0\,\Omega$ の並列接続につながれている。(1) 誘導起電力の大きさを求めよ。(2) 回路全体を流れる電流(棒を流れる電流)を求めよ。(3) $R_1,R_2$ それぞれに流れる電流を求めよ。

解答・解説を見る

(1) 誘導起電力

$V = vBL = 4.0\times0.25\times0.50 = 0.50\,\text{V}$

(2) 回路全体の電流

$R_1,R_2$ の並列合成抵抗は、

$R_p = \dfrac{R_1R_2}{R_1+R_2} = \dfrac{3.0\times6.0}{3.0+6.0} = \dfrac{18}{9.0} = 2.0\,\Omega$

棒の抵抗は無視できるので、棒を流れる電流(回路全体の電流)は、

$I = \dfrac{V}{R_p} = \dfrac{0.50}{2.0} = 0.25\,\text{A}$

(3) それぞれの抵抗を流れる電流

並列接続では、$R_1,R_2$ の両端には、いずれも起電力と同じ $0.50\,\text{V}$ の電圧がかかります(棒とレールの抵抗が無視できるため)。

$I_1 = \dfrac{V}{R_1} = \dfrac{0.50}{3.0} \approx 0.17\,\text{A}$

$I_2 = \dfrac{V}{R_2} = \dfrac{0.50}{6.0} \approx 0.083\,\text{A}$

(検算: $I_1+I_2\approx0.17+0.083=0.25\,\text{A}=I$ となり、一致します。)

答え: (1) $0.50\,\text{V}$ (2) $0.25\,\text{A}$ (3) $I_1\approx0.17\,\text{A}$, $I_2\approx0.083\,\text{A}$

問題6

自己インダクタンス $L=0.40\,\text{H}$ のコイルに流れる電流を、$0$ から $I=5.0\,\text{A}$ まで、$\Delta t=0.50\,\text{s}$ かけて一様に増加させた。(1) この間に生じる自己誘導起電力の大きさを求めよ。(2) 電流が $5.0\,\text{A}$ に達した瞬間に、コイルにたくわえられているエネルギーを求めよ。

解答・解説を見る

(1) 自己誘導起電力

$\Delta I = 5.0-0 = 5.0\,\text{A}$

$V = L\left|\dfrac{\Delta I}{\Delta t}\right| = 0.40\times\dfrac{5.0}{0.50} = 0.40\times10 = 4.0\,\text{V}$

(2) たくわえられるエネルギー

$U = \dfrac{1}{2}LI^2 = 0.5\times0.40\times(5.0)^2 = 0.5\times0.40\times25 = 5.0\,\text{J}$

答え: (1) $4.0\,\text{V}$ (2) $5.0\,\text{J}$

問題7

実効値 $V_e=200\,\text{V}$ の交流電源に、抵抗 $R=40\,\Omega$ をつないだ。(1) 電流の実効値 $I_e$ を求めよ。(2) 電圧と電流の最大値 $V_0, I_0$ を求めよ。(3) この抵抗で消費される平均電力を求めよ。ただし $\sqrt{2}\approx1.41$ とする。

解答・解説を見る

(1) 電流の実効値

抵抗では、実効値についてもオームの法則がそのまま成り立ちます。

$I_e = \dfrac{V_e}{R} = \dfrac{200}{40} = 5.0\,\text{A}$

(2) 最大値

実効値と最大値の関係 $V_e=\dfrac{V_0}{\sqrt2}$ より、$V_0=\sqrt2\,V_e$ です。

$V_0 = 1.41\times200 \approx 282\,\text{V}$

$I_0 = 1.41\times5.0 \approx 7.1\,\text{A}$

(3) 平均電力

$P = V_eI_e = 200\times5.0 = 1.0\times10^3\,\text{W}$

答え: (1) $5.0\,\text{A}$ (2) $V_0\approx282\,\text{V}$, $I_0\approx7.1\,\text{A}$ (3) $1.0\times10^3\,\text{W}$

問題8

レーダーは、マイクロ波を発射し、物体に反射して戻ってくるまでの時間から距離を測定する装置である。あるレーダーが波長 $\lambda=3.0\,\text{cm}$ のマイクロ波を発射している。(1) このマイクロ波の振動数を求めよ。(2) 電波を発射してから、反射波が戻ってくるまでの時間が $t=2.0\times10^{-6}\,\text{s}$ であった。物体までの距離を求めよ。

解答・解説を見る

(1) 振動数

$\lambda=3.0\,\text{cm}=3.0\times10^{-2}\,\text{m}$ です。

$f = \dfrac{c}{\lambda} = \dfrac{3.0\times10^8}{3.0\times10^{-2}} = 1.0\times10^{10}\,\text{Hz}$

(2) 距離

時間 $t=2.0\times10^{-6}\,\text{s}$ は、電波が「レーダー→物体→レーダー」と往復するのにかかった時間です。往復の距離は、

$c\times t = 3.0\times10^8\times2.0\times10^{-6} = 6.0\times10^2\,\text{m}$

物体までの距離は、往復距離の半分なので、

$\dfrac{6.0\times10^2}{2} = 3.0\times10^2\,\text{m}$

答え: (1) $1.0\times10^{10}\,\text{Hz}$(10GHz) (2) $3.0\times10^2\,\text{m}$(300m)