物理基礎 / 電気
頻出解法パターン
パターン1: 電気量Q・電流I・時間tの関係を使う
こんな問題で使う
電流の大きさと時間から流れた電気量を求める問題、または電気量と時間から電流を求める問題。
解法の手順
- 与えられている量($I$・$Q$・$t$)と、求めたい量を整理する。
- 時間の単位を秒(s)に変換する(分なら60をかける、時間なら3600をかける)。
- 電流の定義式 $I = \dfrac{Q}{t}$ を、求めたい文字について解き直す($Q = It$、または $t = \dfrac{Q}{I}$)。
- 数値と単位を確認しながら計算する。
具体例
電流4.0Aが2分間流れたときの電気量を求める。時間を秒に直すと $t = 120\ \text{s}$。
$ Q = It = 4.0 \times 120 = 480\ \text{C} $
パターン2: オームの法則で未知の量を求める
こんな問題で使う
電圧・電流・抵抗($V$・$I$・$R$)のうち2つが分かっていて、残り1つを求める問題。
解法の手順
- $V = IR$ の関係を確認する。
- 求めたい文字について式を変形する($I = \dfrac{V}{R}$、または $R = \dfrac{V}{I}$)。
- 与えられた数値と単位($V$はV、$I$はA、$R$はΩ)を確認して代入する。
- 計算結果に単位をつけて答える。
具体例
$R = 25\ \Omega$、$I = 0.40\ \text{A}$ のときの電圧を求める。
$ V = IR = 25 \times 0.40 = 10\ \text{V} $
パターン3: 直列・並列を見分けて合成抵抗を求める
こんな問題で使う
複数の抵抗を含む回路の合成抵抗や、回路全体に流れる電流を求める問題。
解法の手順
- 回路図を見て、電流の通り道が1本(直列)か、複数に枝分かれしているか(並列)を確認する。
- 直列であれば、$R = R_1 + R_2 + \cdots$ を使う。
- 並列であれば、$\dfrac{1}{R} = \dfrac{1}{R_1} + \dfrac{1}{R_2} + \cdots$ を使う。
- 求めた合成抵抗を使い、オームの法則で回路全体の電流や電圧を求める。
具体例
$R_1 = 4\ \Omega$、$R_2 = 6\ \Omega$ を並列に接続したときの合成抵抗を求める。
$ \frac{1}{R} = \frac{1}{4} + \frac{1}{6} = \frac{3}{12} + \frac{2}{12} = \frac{5}{12} $
$ R = \frac{12}{5} = 2.4\ \Omega $
パターン4: 複雑な回路を部分ごとに簡単にしていく
こんな問題で使う
直列と並列が組み合わさった回路で、全体の合成抵抗や、特定の抵抗に流れる電流・かかる電圧を求める問題。
解法の手順
- 回路の中で並列になっている部分だけを取り出し、その部分の合成抵抗を先に計算する。
- 求めた合成抵抗を1つの抵抗とみなして、残りの抵抗と直列に組み合わせ、回路全体の合成抵抗を求める。
- 回路全体にオームの法則を使い、電源から流れ出る全体の電流を求める。
- 特定の部分の電流や電圧を知りたいときは、その部分にかかる電圧をオームの法則で逆算してから、個別の抵抗に当てはめて求める。
具体例
$R_1 = 4\ \Omega$ に、$R_2 = 6\ \Omega$ と $R_3 = 3\ \Omega$ の並列部分を直列に接続する回路。並列部分の合成抵抗は、
$ \frac{1}{R_{23}} = \frac{1}{6} + \frac{1}{3} = \frac{1}{6} + \frac{2}{6} = \frac{1}{2}, \qquad R_{23} = 2\ \Omega $
回路全体の合成抵抗は、
$ R = R_1 + R_{23} = 4 + 2 = 6\ \Omega $
パターン5: 消費電力を3通りの式から選んで計算する
こんな問題で使う
消費電力を求める問題で、電流と電圧の両方ではなく、電流と抵抗だけ、または電圧と抵抗だけが与えられている問題。
解法の手順
- 問題文で与えられている量を確認する($I$と$V$の両方か、$I$と$R$か、$V$と$R$か)。
- 与えられた量の組み合わせに合わせて、$P = IV$、$P = I^2 R$、$P = \dfrac{V^2}{R}$ のいずれかを選ぶ。
- 数値と単位を確認して代入し、計算する。
- 電力量(ある時間の間に消費した電気エネルギー)を求める場合は、さらに時間 $t$ をかける($W = Pt$)。このとき、Jで答えるかWh・kWhで答えるかによって、$t$ を秒にするか時間にするかをそろえる。
具体例
$R = 10\ \Omega$、$I = 3.0\ \text{A}$ のときの消費電力を求める。
$ P = I^2 R = (3.0)^2 \times 10 = 9.0 \times 10 = 90\ \text{W} $
パターン6: クーロンの法則で力の大きさと向きを分けて考える
こんな問題で使う
2つの点電荷の間に働く力(クーロン力)の大きさや、電気量・距離を求める問題。
解法の手順
- 電気量の単位をC(クーロン)に、距離の単位をm(メートル)にそろえる。
- $F = k \dfrac{|q_1 q_2|}{r^2}$ に代入して、力の大きさを計算する。
- 求めたい文字が $q$ や $r$ の場合は、先に式を変形してから数値を代入する。
- 2つの電荷の符号を確認し、同符号なら斥力、異符号なら引力と判断する。大きさと向きの両方をセットで答える。
具体例
$q_1 = +3.0 \times 10^{-6}\ \text{C}$、$q_2 = -1.0 \times 10^{-6}\ \text{C}$、$r = 0.10\ \text{m}$ のときの力の大きさを求める。
$ F = \frac{9.0 \times 10^{9} \times (3.0 \times 10^{-6}) \times (1.0 \times 10^{-6})}{(0.10)^2} = \frac{2.7 \times 10^{-2}}{1.0 \times 10^{-2}} = 2.7\ \text{N} $
符号が異なるので、引力です。
パターン7: 直線電流のまわりの磁界を求める
こんな問題で使う
直線電流から一定距離離れた点での磁界の強さを求める問題、または逆に、磁界の強さから電流や距離を求める問題。
解法の手順
- 距離の単位をm(メートル)に変換する。
- $H = \dfrac{I}{2\pi r}$ を、求めたい文字について変形する。
- 数値を代入して計算する。
- 磁界の向きが問われている場合は、右ねじの法則(右手で導線をにぎり、親指を電流の向きに合わせて、残りの指が巻きつく向きを読む)を使って別に判断する。
具体例
$I = 6.0\ \text{A}$、$r = 0.30\ \text{m}$ のときの磁界の強さを求める。
$ H = \frac{I}{2\pi r} = \frac{6.0}{2\pi \times 0.30} = \frac{6.0}{1.885} \approx 3.2\ \text{A/m} $