物理基礎
共通テスト対策
この科目の共通テストでの傾向
物理基礎は、共通テストの理科科目の中では「基礎を付した科目」の一つで、多くの場合、もう一つの基礎科目(生物基礎・化学基礎・地学基礎のいずれか)と組み合わせて、2科目で60分という時間の中で解答します。そのため、1科目あたりにかけられる時間は限られており、スピーディーに、かつ正確に解答する力が求められます。
出題形式は、計算問題だけでなく、グラフや図を読み取る問題、身近な現象を物理の言葉で説明させる問題、会話文や資料をもとに考察させる問題など、バラエティーに富んでいます。単純に公式に数値を当てはめるだけでは解けない問題も多く、「なぜそうなるのか」という理解を問う出題が目立つのが特徴です。
頻出単元としては、力学(運動とエネルギー)からの出題が比較的多く、次いで波・電気からの出題も安定して見られます。また、実験の手順や結果の考察、有効数字の扱いなど、「物理学が拓く世界」で学ぶ探究的な内容も、他の単元と組み合わせる形でたびたび出題されます。
時間配分としては、まず全体にざっと目を通して、解きやすい問題から手をつけるのがおすすめです。グラフ読み取りや会話文形式の問題は文章量が多く時間がかかりやすいので、後回しにしても構いません。計算が必要な問題は、単位を確認しながら落ち着いて解くことを心がけましょう。
単元別の対策ポイント
運動とエネルギー
- 速度・加速度の意味を、公式だけでなく「言葉」でも説明できるようにしておきましょう。$v$-$t$ グラフ(速度と時間の関係を表すグラフ)を読み取り、グラフの傾きや面積が何を表しているかを問う問題が頻出です。
- 力のつり合いや運動方程式($ma = F$)は、まず図に矢印で力を書き込む練習を繰り返すことが得点アップの近道です。
- 仕事とエネルギー、力学的エネルギー保存の法則は、「摩擦や空気抵抗がない場合に成り立つ」という前提条件まで含めて理解しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。
波
- 波の基本式($v = f\lambda$、速さ=振動数×波長)は、日常の音や光の現象と結びつけて覚えると忘れにくくなります。
- 音の高さ・大きさ・音色が、波のどの性質(振動数・振幅・波形)に対応するかを整理しておきましょう。
- 反射・屈折・干渉といった現象は、図を使って「なぜそう見えるのか」を説明できるようにしておくと、資料読み取り問題にも強くなります。
電気
- オームの法則($V = RI$)や電力の式($P = VI$)は、身近な電気製品を例にした計算問題としてよく出題されます。単位(V、A、Ω、W)の関係を混同しないように注意しましょう。
- 直列回路・並列回路のそれぞれで、電流・電圧・抵抗がどのように分配されるかを、図をかいて確認する練習をしておくと安心です。
- 電磁誘導や発電のしくみは、「物理学と社会・技術のつながり」の内容とあわせて理解しておくと、資料や会話文形式の出題にも対応しやすくなります。
物理学が拓く世界
- この単元では、科学的探究の方法(仮説→実験→検証というプロセス)や、誤差・有効数字の考え方そのものが出題対象になることがあります。
- 「なぜその実験結果からその結論が言えるのか」を問うような、考察力を試す問題が多いのが特徴です。落ち着いて資料を読み、条件を整理する練習をしておきましょう。
- 物理学と技術・社会とのつながりについての基礎知識(発電のしくみ、医療機器の原理など)も、他の単元の知識と組み合わせて出題されることがあります。
実戦問題
共通テスト形式の問題を解いて、実戦力を確認してみましょう。
実戦問題1
問題
一直線上を運動する物体の速度 $v$ と時間 $t$ の関係を表した $v$-$t$ グラフがある。このグラフにおいて、グラフと $t$ 軸で囲まれた部分の面積は、次のうちどの物理量を表しているか。最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
① 物体の加速度 ② 物体の変位(移動距離) ③ 物体にはたらく力 ④ 物体の質量
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$v$-$t$ グラフでは、縦軸が速度、横軸が時間を表しています。速度に時間をかけたものは「移動距離(変位)」に対応するため、グラフの下側の面積(グラフと $t$ 軸で囲まれた部分の面積)は、その時間の間に物体が移動した変位を表します。
なお、$v$-$t$ グラフの「傾き」は加速度を表すので、①と混同しないように注意しましょう。③・④は、$v$-$t$ グラフから直接読み取れる量ではありません。
答え:②
実戦問題2
問題
空気中を伝わる音の速さは約 $340\ \mathrm{m/s}$ である。ある音の振動数が $850\ \mathrm{Hz}$ であるとき、この音の波長は何mか。最も適当な数値を、次の①~④のうちから一つ選べ。
① $0.25\ \mathrm{m}$ ② $0.4\ \mathrm{m}$ ③ $2.5\ \mathrm{m}$ ④ $4.0\ \mathrm{m}$
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波の基本式 $v = f\lambda$(速さ=振動数×波長)を、波長について解くと、
$\lambda = \frac{v}{f}$
となります。$v = 340$、$f = 850$ を代入すると、
$\lambda = \frac{340}{850} = 0.4\ \mathrm{m}$
答え:②
実戦問題3
問題
ある電熱線に $6.0\ \mathrm{V}$ の電圧を加えたところ、$1.5\ \mathrm{A}$ の電流が流れた。この電熱線で消費される電力は何Wか。最も適当な数値を、次の①~④のうちから一つ選べ。
① $2.0\ \mathrm{W}$ ② $4.0\ \mathrm{W}$ ③ $6.0\ \mathrm{W}$ ④ $9.0\ \mathrm{W}$
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電力の式 $P = VI$ に、$V = 6.0$、$I = 1.5$ を代入すると、
$P = 6.0 \times 1.5 = 9.0\ \mathrm{W}$
答え:④